父の前歯が「スコーン」と抜けた
今日は、86歳の父に付き添って歯科医院へ行ってきました。
父に残っている歯は、上に7本、下に7本。合わせて14本です。
私が子どもの頃から、父は「食べたらみがく」を真面目に続けてきました。
一度歯をみがいたら、その後にどんなにおいしそうな果物やデザートが出てきても、絶対に食べません。
それほど徹底して歯を大切にしてきた父ですが、今では奥歯が一本も残っていません。
丁寧に歯を磨いてきたからといって、ずっと自分の歯を保てるとは限らないのですね。
やはり年齢には勝てません。
今回、父が歯科医院を受診するきっかけになったのは、左上の前歯が一本、スコーンと抜けてしまったことでした。
正直に言うと、前歯が抜けるまで、私は父の奥歯が一本もなくなっていることに気づいていませんでした。

そう思うことはあったのですが…
奥歯がないんだから、そりゃ食べるのに時間がかかるのも当然です。
どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。
残っている前歯のうちの一本も、すでにグラグラしていて、抜けるのは時間の問題だそうです。
入れ歯にするか、ブリッジにするか
「次回はご家族と一緒に来てください」
そう言われたのは、今後の治療方針を決めるためでした。
これから先のことを考えて、入れ歯を作るのか。
それとも、今ある歯を活かしてブリッジにするのか。
何十年も真面目に歯をみがいてきた父は、今の状態を聞いてショックを隠しきれないようでした。
私も歯科衛生士さんから説明を聞きましたが、決断するのは父です。
最終的には、本人の気持ちを尊重するしかありません。
父は、入れ歯に対して「年寄りが使うもの」というイメージを持っているようで、ブリッジを選びました。
「入れ歯なんて、そんな年寄りみたいなものはしたくない!」
十分にお年寄りと呼ばれる年齢の父が、真剣な顔で言うのを聞いて、思わず笑ってしまいました。
父の気持ちは、まだまだ若いようです。
まあそれはいいことなんですけどね笑。
不死身だと思っていた父も、年をとっている
母は普段から、
「膝が痛い」
「腰が痛い」
「今日はふらつく」
などと、体の不調を口にします。
一方父は、あまり弱音を吐きません。
そのため私は、心のどこかで「父は不死身だ」と思い込んでいたのかもしれません。
だけど今回、歯科医院で父のレントゲンを見たとき、かなりショックを受けました。
目の前にいたのは、私が思っていたよりもずっと年をとった父でした。
親は、確実に年をとっている。
当たり前のことなのに、近くに住んでいるとなかなか実感できません。
父の歯科医院に付き添ったことで、その切ない現実を目の当たりにした一日でした。